ホーム>在宅医療>輸液の「1号・2号」の違いを徹底解説!末梢輸液とTPN製剤で意味が全く違う?
目次

📖 はじめに:現場でよくある勘違い

「先生から『1号液から始めよう』って指示が出たけど、これってどっちの1号のこと?」

薬局や病院で働き始めると、よく耳にする「1号」「2号」という言葉。 実は、末梢静脈用の水・電解質輸液(ソリタなど)と、TPN製剤(中心静脈栄養)とでは、その番号が意味するものが全く異なります。

ここは新人薬剤師や看護師が非常に混同しやすいポイントです。 使い方を間違えると、患者さんに思わぬ負担をかけてしまうこともあるため、それぞれの番号が何を表しているのかをしっかり整理しておきましょう!


💧 末梢輸液(水・電解質輸液)の1号・2号

末梢輸液の番号は、ズバリ 「電解質のバランス(主にカリウムの有無やナトリウムの濃さ)」 を表しています。

  • 1号液(開始液):カリウムが入っていない。まずは安全第一で点滴を開始し、患者さんのおしっこ(尿)がしっかり出ているかを確認するための輸液です。
  • 2号液(脱水補給液):ナトリウムが少なめで、カリウムが入っています。細胞の中に水分を補給したい時によく使われます。
  • 3号液(維持液):人が1日に必要な水分と電解質がバランスよく入っています。食事がとれない患者さんの毎日の水分補給の基本となります。
  • 4号液(術後回復液):電解質がとても少なく、水分補給がメインの輸液です。

👉 ポイント:末梢輸液の番号が変わる = 「電解質の配合」が変わる


💉 TPN(中心静脈栄養)の1号・2号

一方で、TPN製剤の番号は電解質ではなく 「カロリー(糖質)の濃さのステップアップ」 を表しています。

TPNでは、生きていくのに必要な大量のカロリー(糖質)を一気に血管に入れます。しかし、絶食していた患者さんにいきなり濃い糖質を入れると、体がビックリして血糖値が急上昇したり、電解質バランスが急激に崩れる「リフィーディング症候群」という危険な状態になることがあります。

そのため、TPN製剤には体を慣れさせるためのステップがあります。

  • TPNの1号(開始液):カロリー(糖質)が少なめに作られています。まずはここから始めて、血糖値が跳ね上がらないか、体に負担がかかっていないか様子を見るための「開始液」です。
  • TPNの2号(維持液):体が濃い糖分に慣れてきたら切り替えます。本格的に栄養を補給するための高カロリーな製剤です。
  • TPNの3号:(フルカリックなどに存在)さらに高カロリーが必要な場合に使われます。

👉 ポイント:TPNの番号が変わる = 「カロリー(糖質)の濃さ」が変わる


📝 まとめ:同じ「1号から2号へ」でも意味が違う!

このように、同じ「1号から始めて、様子を見て2号へ変更する」という使い方でも、その目的には明確な違いがあります。

輸液の種類 1号から2号へ変更する目的
末梢用の水・電解質輸液 尿が出ていることを確認できたので、カリウムの補充を開始する
TPN(中心静脈栄養)製剤 血糖値の急上昇がないことを確認できたので、カロリーを本格的に増やす
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